有名なアーティストやバンドの曲を演奏するバンドのことをコピーバンドと呼びますよね。
最近はカバーバンドと呼ぶこともありますが、トリビュートバンドと呼ばれるケースもあります。
これらの違いは何なのでしょうか。今回は各バンドの違いについて書こうと思います。
コピーバンドとは
誰かの曲を楽器で演奏する時は、その曲のキー、使うコード、フレーズ等を調べる必要があります。
楽譜を見たり、曲を聴きながら弾いている音を探したり、やり方は人それぞれですが、この調べる作業や演奏することをコピーと呼んでいます。
原曲を複製するような作業だからだと思いますが、バンドで演奏する場合はコピーバンドと呼ばれます。
また、色々なアーティストの曲をコピーしているバンドもいますし、特定のバンドのコピーしかしないバンドもいますが、原曲をそのまま演奏するのであれば、どちらもコピーバンドになります。
ちなみにコピーバンドという呼び方は日本独自のもので、和製英語ってやつです。
カバーバンドとは
有名なバンドやアーティストの楽曲を独自の解釈で演奏するバンドをカバーバンドと呼んでいます。
コピーバンドの場合は、原曲がお手本になりますが、カバーバンドの場合は、原曲が素材になります。
リズムや曲調を変えたり、歌詞やギターソロを変えたり、素材である原曲をどうアレンジするかも重要なポイントになるので、センスや技量も問われます。
ただ、自由度が高いので、演歌の曲をメタル風にするとか、アップテンポの曲をバラードっぽくするとか、同じコード進行の別の曲をミックスするとか、コピーバンドとは違う楽しみ方ができます。
海外ではカバーやカバーバンドが一般的な呼び方で、YouTubeにある動画でも他人の曲を演奏している場合はタイトルに「cover」を入れることが多いです。
海外のカバーバンドをまとめた記事も書いたので、興味があったらご覧ください。
トリビュートバンドとは
特定のバンドの曲を演奏するという意味ではコピーバンドと大差ないのですが、見た目やパフォーマンス、使用機材等も含めた総合的なコピーバンドのことをトリビュートバンドと呼んでいます。
ビートルズやクィーンのような世界的に有名なバンドのトリビュートバンドは数多く存在していて、本家そっくりのモノマネ的なバンドもあります。
しかし、一方で見た目や細かいことにはこだわらないトリビュートバンドもあるので、明確な線引きがあるとは言い難い状況です。
例えばレッドツェッペリンのトリビュートバンドである「Zepparella」は、メンバーが全員女性で、本家と同じ機材を揃えているわけでもありません。
ただ、トリビュートには賞賛や尊敬という意味もあるので、そっくりさん以外がダメということはないと思います。
トリビュートアルバムもモノマネを競っているわけではないですからね。
さいごに
僕が学生の頃(30年以上前)は、カバーやトリビュートといった呼び方がなくて、「既存の有名な曲を演奏するバンド=コピーバンド」でした。
当時からカバーとコピーを使い分ける人たちがいた可能性もありますが、少なくとも僕の活動範囲ではカバーバンドであってもコピーバンドと呼ばれていました。
また、自作曲を演奏するバンドの方が格上というか、コピーバンドが見下される傾向もあって、特にアマチュアバンド界隈ではそういう風潮があったように記憶しています。
おそらく、バンド初心者の大半がコピーから始めるからでしょうね。
ただ、色々なバンドで活動している凄腕の人たちが集まってコピーバンドを組むケースもあって、馬鹿にしていた人たちを驚かせることもありました。